第21章 夢から覚めた日
───ガタッ
何かの振動が脳を揺さぶって、私を現実に引き戻す。
あぁ・・・この場面・・・
男たちの声。
『あの女、何万で売れるでしょうかね?』
『はっ、どうせ億いくかいかねぇぐれぇだろ。
顔もスタイルもいいしな』
くっそ~
いつ聞いてもムカつく会話!
でも、もうなにも怖くない。
《───全員、》
《───お前を信じてるよ》
そう言ってくれたから。
もう、なにも怖いものなんかない。
えーっと、ここで縄が切れて・・・
──ピリッ
『っ』
いったぁ・・・
だけど、これでもう大丈夫だ。
ここから外に出て・・・
トラックに轢かれる!
物騒だけどね
────よしっ! いくぞ!
『───あんたらなんかの・・・
言いなりになんかなるわけないでしょーがっ!!!!』
風が来る。
目を瞑りたくなる。
でも、前を見なきゃ。
すぐそこまで迫ってきているトラック。
怖くない、だけど足は震えてる。
でも、空中に居ればそんなの感じない。
──今の私、超絶無敵かもしんない!
瞬間、視界が光に包まれた。