第21章 夢から覚めた日
知らない街にいた。
というよりも、ここは東京みたいだ。
華やいでいる大人の世界から一変して、路地裏は暗い。
騒がしい声も、遠く感じる。
都会の喧騒なんて、本当は無いみたいだ。
そこに立ち尽くす私──成宮天。
なぜだかここに足が向いて、脇道にそれた。
ここなら誰もいないから、気楽で居れる。
「・・・っ、う、あ・・・」
頭がズキズキする。
すると、背後から男の声がして。
【男1】
「あっれぇ? お姉ちゃん、こんなところで何踞ってんの?」
【男2】
「・・・なぁ、こいつ・・・」
背後で交わされる会話。
あぁ・・・
・・・すべて、思い出したよ。
そこから、私が連れ去られるまでに時間は掛からなかった。
抵抗できないのをよそに、口をハンカチで塞がれて。
意識を抵抗なく手放して、体から力を抜けさせる。
・・・そうだ、あの時も・・・
こんな感じだった