第20章 夢
───緑間side─────────┐
今日の蟹座の運勢は最高なのだよ。
・・・それにしても、まさか本当に会えるとはな。
はち。
実のところを言うと、俺もお前に会いたかった。
【紫原】
「え~? みどちんも見たの~?」
不機嫌そうに・・・いや、至って変わりはないが、紫原は確実にショックを受けているな。
【黒子】
「緑間君は、どんな夢だったんですか?」
【緑間】
「・・・夢に、思えないほど、リアルだったのだよ。
・・・だが、はちは、俺を誰かと重ねていた。
はちの目に映った人物が・・・俺ではなかった。
・・・そして、それは、主将・・・なのだよ。」
【虹村】
「・・・・・・は? おれ?」
頭に手をのせたとき、一瞬だったが、はちの目が揺らいだ。
そのとき見えた人物は・・・主将だった。
少し、悔しいがな。
【赤司】
「やはり・・・」
【虹村】
「ちょ、やはりってなんだよ赤司・・・、
って、おい! 聞けって! 赤司!?
テメッ、おい待て! 赤司!」
「お先に失礼します」と言って出ていった赤司を追いかけていった主将。
【桃井】
「・・・やっぱり、はちちゃんの運命の人って、虹村さんなんだね」
【青峰】
「だろーな」
【紫原】
「やっぱ、主将には敵わないー」
【緑間】
「運命なのだから。当たり前なのだよ。」
【桃井】
「・・・そういうのって、なんか」
───《かっこいいなぁ》
涙がまだ出ている。
さっき起きたばかりなのに、また眠気が襲ってくる。
また、何かの夢を見るの?
なんの夢を見るの?
誰か、教えてよ──
ふっと、意識が遠退いた。