第20章 夢
──《惚れさせてみせるッスから》
「えっ!?」
まただ。
また、脳内に響く声。
「・・・・もー! なんなの最近!」
絵を描いていたが、途中で中断し、シャーペンを置く。
大きなあくびをし、伸びをする。
少し、心が落ち着いてきた気がした。
「・・・今度、お祓いに行こうかな」
おばさんにでも言って、そこら辺の神社でお祓いをしてもらおう、そう考えて、いつの日かのようにベッドに突っ伏す。
「・・・・・本気で疲れてるみたいだな、私」
部屋の電気を消し、カーテンを少し開ける。
すると、絵を描いていた机に光が差し込んで。
不機嫌そうに目を細らせて、口を尖らせている───そんな人物が描かれている絵が、月明かりで輝いた。