第20章 夢
【桃井】
「・・・っう、ひっ・・・くっ・・・ふぅっ・・・!」
泣き止みそうにない彼女の背中を撫でながら、黄瀬は目を細める。
──みんながこんなになるほど大事にしてる、はちって・・・どんな人?
──俺も、会ってみてぇなぁ
【黄瀬】
「・・・よしっ! 今日こそは夢の中でもはちって人に会ってみせるッス!
写真とか、ないんスか?」
【緑間】
「・・・あいつが写っている写真は、ないのだよ。」
【黄瀬】
「えっ、」
【虹村】
「あいつは、写真に残んねぇ存在だったんだよ。
・・・写真なんかに、収まりきれねぇ」
虹村だけが雰囲気がおかしい。
──ははーん? 主将はそのはちって人が好きなんスね!
うんうんと自己完結し、今日は運に任せようと決意した。
想っていれば、きっと出会える。
───(いつか、夢の中ででもいいから)
──「会ってみたいな・・・なんてね」