第20章 夢
──第3者side─────────┐
部活の帰り。
キセキの世代の彼らと、主将である虹村は、青峰に呼び出された。
【虹村】
「・・・んで、話ってなんだよ」
【青峰】
「・・・・・・・俺、見たんだ」
マジパからシェイクを買ってきた黒子が飲みながら目を見開く。
彼ら全員が、同じような動作をしていた。
【桃井】
「え? 見たって・・・なにを?」
はちの状況をなにも知らない桃井が、キョトン顔で尋ねる。
【虹村】
(そうか桃井は、はちが転校したっていう話で通ってるんだよな)
それを言ったときは大層驚いていたが、受け入れたらしい。
寂しいといっていたが、ちゃんとマネの仕事をこなしていてくれる。
【紫原】
「えー、峰ちんも見たのー?」
【緑間】
「・・・どんな夢だったのだよ。」
【桃井】
「え? 夢?」
【青峰】
「・・・はちが、目の前に立ってた。
連れ帰ろうとしたら・・・足が動かなくなって。
連れて帰れるのは俺じゃねぇって。
そう思った」
『連れて帰れるのは俺じゃねぇ』
という部分で虹村をチラ見して、青峰は寂しげに微笑む。
【桃井】
「・・・え?
・・・連れて帰る、って、どういうこと・・・?」
不安そうに目を潤ませる桃井に、黒子が優しく語りかける。
【黒子】
「・・・桃井さんに、見てもらいたい人がいます」