第20章 夢
そして、夢はまたやってくる。
《───おい!はち!》
『あ! 青峰!』
《お前こんなとこに居たのかよ
おら、帰んねーとさつきが泣くぞ》
『え、ちょ、まっ』
《・・・チッ・・・んだよ、みじけー夢だな》
『え、どゆこと?』
《まぁ、悔しいけど、連れて帰られるのは俺じゃねーってことだな》
『は?ちょ、なんなの?』
《───はち! 俺っ・・・
帝光バスケ部で待っててやるよ!
正直、最近はやるき出ねーけど、いつかお前が帰って来やすいように、待っててやる!!
だから・・・必ず帰ってくんだぞ!!》
『はい?え、ちょ、待っ・・・!
──サボるとか、シャレになんないからやめなさーーーーい!』
《──わかってるっつーの!》
そして、夢は覚める。
次元を越えた夢は、毎晩のように彼女の頭の中を駆け巡り、徐々に彼女の記憶を呼び覚ましていった。
「──・・・あお、みね・・・?」