第18章 現実味のある話をしよう
───虹村side─────────┐
やっぱり、泣くなんてみっともねぇな
やっとこさっとこ、こいつに想いを伝えようと決心したのに、呆気なく終わりかよ
ひでぇ恋の神様ってやつだな
俺の腕の中で死んだやつのように目を閉じているはちを、これでもかときつく抱き締める。
消えないでくれ。
そう願っても、後の祭り。
こいつはもう、目を覚まさない。
【赤司】
「・・・虹村さん?」
背後で聞こえた、大人びた声。
いつまでも、あいつに勝てる気はしないな
「赤司か」
【赤司】
「はい。・・・何故はちを?」
大方、練習メニューについて訊かれると思ってたが・・・まぁ、目の前で好きなやつが抱き締められてるの見たら、聞きたくなるもんだよな
怪訝そうな顔で見つめられ、目を逸らしたくなる。
でも、ダメだ。
こいつのことを、赤司に話さねぇと。
現実実は全くねぇが、話そう。
「──こいつは、」