• テキストサイズ

【黒子のバスケ】どうしようもなく好きだったから

第17章 多くの天敵




『あ、れ・・・。

・・・もう、消えるの?』




一炊の夢のよう。

私は、あの世界に戻ったら・・・


トラックに轢かれて死ぬのだろうか。



・・・痛そうだな





【虹村】
「───はち」



『!! 虹村先輩・・・』




正直、今は会いたくなかった。

消える瞬間なんて、見られたくなかった。



どんなときでも、神様は残酷なんだね



【虹村】
「・・・お前、また・・・消えるのか」


『・・・はい』





・・・・・・ん? 『また』?



『またって・・・どういうことですか?』



【虹村】
「──やっぱり、覚えてなかったか」 





ふぅーっと息をつくと、虹村先輩は人間一人分の間を空けて立つ。



【虹村】
「・・・いや、思い出さない方がいい」


『え・・・』




何のことだか分からない。

どうすればいいの・・・?



【虹村】
「──俺が会いたくなったら、必ず会いに行く。

お前が会いたくなっても、俺が必ず会いに行く」



『────!!』



どこかで聞いたことのあるようなフレーズ。





その瞬間、何かが頭の中を駆け巡った。




意識が遠退く。



やだ、やだ・・・!


まだ、離れたくない・・・






【虹村】
「・・・大丈夫だ。」


『先輩、先輩・・・!』



人間一人分の隙間なんか飛び越して、先輩に抱きつく。


背中に手を回して、力を込めた。



虹村先輩も抱き締め返してくれて。



その体温だけを忘れないように、


ぐっと、目をつむった。







/ 342ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp