第16章 ファースト
───ピッピッ
『───っはッッ!!!』
目が覚めると、見慣れぬ天井。
ふかふかのベッドに、高級そうなカーテンext...
『な、んで私こんなとこに・・・』
昨夜の記憶は、赤司くんにキスされ・・・
『・・・っあー! そうだよ、私昨日・・・』
【赤司】
「何をそんなに騒いでいるんだ?」
一瞬フリーズ
ギギギギ・・・と音がしそうな程ぎこちなく、ゆっくりと首を回した。
【赤司】
「よく眠れたかい?」
そこには──寝起きである事が見るからにわかる、赤司くんがいた。
『どうなってんのこれ!!?』
まさか・・・昨日の夜・・・!
そんなはずないのに、そう思えてしまう。
あ、だけど・・・前も一回同じ布団で寝たし・・・
そんなこと、あるはずがない。
咄嗟に彼に背を向け、服の中を覗きこむ。
下着は変わっていない・・・
もちろん、服も昨日のまま。
よかった・・・思い違いだった・・・かな?
【赤司】
「・・・はちが思っているようなことは起きていないから、安心してくれ」
『は、はい・・・・』
赤司くんもそう言っているし、大丈夫だよね?
ただ・・・忘れられない感覚・・・
昨日、これだけは覚えてる。
唇に漂う違和感
『・・・どうしよう・・・』
【赤司】
「・・・いいよ、はちはそのままでいてくれ。
変に気まずくなられても困るからな」
『!! ・・・うん』
そんなこと言ってるけど・・・
こっちは気まずくなるもんだよ!!
【赤司】
「・・・ファーストは貰いましたよ・・・
──・・・虹村さん」