第15章 赤くて熱い
───第3者side───────┐
赤司の腕の中で赤くなっていたはちの体から力が抜けていく。
瞬間的に危険を察知した赤司は、慌てて肩を掴んではちの顔を見てみる。
「!! ひどい熱・・・・」
耳の先まで真っ赤にして、首元も熱っぽい。
疲労からの熱だろうか。
無理をさせてしまったのではないかと後悔していたその時───
【虹村】
「────赤司?」
いつも練習で張り上げられている声が、低く、近く聞こえた。
「虹村、さん・・・」
【虹村】
「お前が支えてるそいつ・・・はちか!?
なんでこんなところで・・・」
「・・・はちがすごい熱です
今日はうちで預かります」
いや、虹村さんなら無理矢理にでも連れて帰るか
そう悟ったとき
【はち】
『・・・・あつ、い』
うっすらと、はちの目が開いた。
「!! はち! 大丈夫か?」
【はち】
『・・・からだが、燃えそう・・・』
【虹村】
「・・・しゃあねぇ
赤司、家上がらせてくれ。
看病するぞ」
「・・・・はい」
なぜだか胸騒ぎがしていたが、虹村の背中を見ていればそれも薄らいで。
赤司ははちを横抱きしながら歩くのみだった。