• テキストサイズ

Feel me?【ハリポタ長編/ドラコ夢】

第7章 スリザリンで過ごす日常


………。

「…何か?」

しばらくすると、皇は視線を感じ、顔を上げる。
案の定、マルフォイは頬杖をつきながら皇を見ていた。

「メガネ、かけるんだな。」

「えぇ…まぁ。
 あなたの天敵のハリーみたいで嫌かしら?」

マルフォイは腕を組んだ。

「ふーん、アイツは名前を呼ぶんだな。
 別に、メガネなんて関係ない。」

「…そう。」

マルフォイは優しい顔で微笑んだ。

「なんか…新鮮だな。」

皇は危うく、本を落としかける。
マルフォイも…こんなに素直に、優しく笑えるのか。

「そ、そうかしら…」

耳が熱い。
皇は必死で本で顔を隠した。

「なぁ…」

マルフォイに本を取られた。
いともたやすく、抜き取られる。

「お前…ポッターが好きなのか?」

マルフォイのアイスブルーの瞳が皇の瞳を捕らえる。
皇は目が離せなくなった。
なんて、綺麗な瞳なんだろう。

「ハリーは…お友達よ…」

皇はそう言うと、やっとの事で目を逸らす。

「へぇ。
 僕は、皇とウォーカーがデキてる、って言うのは信じない。」

「えぇ。
 彼女は私の親友だもの。
 勝手に同性愛者にされるのは、あまり愉快な事じゃないわ。」

皇はマルフォイの手から、本を引ったくった。

「じゃあ、皇…」

マルフォイは皇の本を閉じた。

「好きなヤツとか…居ないのか?」

また、マルフォイの瞳から目が離せなくなった。
真っ直ぐな視線で、嘘は許されない。と、目が語っていた。


「…居ないわ。」

「そうか。」

マルフォイは目を伏せた。

「…どうかしたの?」

「僕には“愛する”事が分からない。」

マルフォイは、珍しく悩んでいる様子だった。
いつものあの態度が嘘の様だ。

「お前に…皇に教えて貰いたかったんだ。」

「そんな…あなたに教える事なんて…
 あっ、パーキンソンなら、きっと教えてくれるわ。」

マルフォイは傷付いた顔をした。

「…そろそろ、時間だ。
 授業の準備、しに行くぞ。」

マルフォイは本を本棚に戻すと、足早に図書室から出て行く。
皇はマルフォイの後を追った。
/ 52ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp