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タイトル未定《ドリフターズ》

第2章  弐




と名乗るハーフエルフは
少し懐かしそうに微笑み、鍵穴に鍵をあてがう。

『中は少し狭いんですけど、、、』


ガチャリと鍵を回すと
建てつけの悪い大きめの扉を開ける
彼女の後について扉をくぐると
外から見るよりも、中は広く天井が高く
首を倒して見上げるほど一面が
本で埋め尽くされている。



『これが父の残してくれた物です


歴史の研究者みたいで良く読み聞かせてくれました』



オルミーヌは1冊手に取ると見たこともない字に
首をかしげる

「こちらの言葉ではない様ですね」



『はい。読み方は教えてもらったので
私が読みます』




「おいにはさーっぱり読めん」



「読めても、この量を読むのも持ち帰るのも
根気のいる仕事じゃのう」




は考え込み顎ヒゲを触る信長の手を
力強く握りしめた。



『私が、私が本になります!』



力強く見上げてくるの
大きな瞳に、不敵に笑う信長の顔が映った


『私も一緒に闘わせて下さい。
父の為に、父の代わりに

ここの本は全て頭に入っています』



「ほう」


握りしめた手にさらに力を入れ

『私は、貴方達を見てから
この心の高揚が抑えられないんです!』




信長は驚きの余り数回瞬きをすると

「えらく積極的だにゃあ」


にやりと笑うとは興奮のあまり
鼻先が触れそうなほど近くに寄っていたことに気付く



「妬けちゃうな〜」


戯けた様に言う、与一の声に
は飛び退く様に後ろに下がる


『申し訳ございませんでした』



深々と頭を下げるの頭に
信長はふわりと大きな手を乗せると



「役得じゃ」



そういって、笑いながらグシャグシャと頭を撫でる


「取り敢えず、俺たちの話を聞かにゃあならんな」



『はい』




ガタンと、奥で物音がする。

そちらの方へと視線を向ければ
父が日頃から持っていたトランクケースを抱えた
豊久さんが埃まみれで立っていた。


「こがいなもん見つけた」


トランクケースを掲げ子供の様に笑う
豊久をみてはクスクスと笑うと

近くに駆け寄り、体に付いたホコリを手で払いのける


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