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タイトル未定《ドリフターズ》

第1章  壱




見慣れぬ赤い鎧に身を包んだ
その人はドスの効いた声で、
異国の言葉を話す。


意味は分からなくとも、怒りのこもった
その言葉にゾクリと背筋に悪寒が走る




その人の後ろから駆け寄ってくる
村の仲間たちの姿に
心底安堵を覚えつつも
先程の異国人の強い瞳に胸が高まったまま
連れられるままに外へと足を踏み出した。



久しぶりに見た村の仲間は
力強い目をしていて
久しぶりに嗅いだ外の空気は
今までで1番騒がしかった。





目の前で、オルテ兵達が絶命していく
赤く飛び散る血を眺め
ツーっと無意識に流れる涙を拭くこともせず
赤く黒く染まるその風景を眺めていた。



バキィッ



という、骨と骨がぶつかる様な
大きな音の方を見ると
ノブナガさんと呼ばれていた
長髪の男性が地面に尻餅をついて
座り込んでいた



「そがいなこつ おいが知るかあ


そがいなこつ おいに関係無か」



トヨさんと呼ばれていた赤い鎧の彼が
腕を組み先ほど同様
よく通る声をあげる



その光景をノブナガさん同様ポカンと眺めていると


「ーーーーただいま」



何ですケンカですか、こわい。そう言いながら
ひょっこりと綺麗な容姿をした
漂流者と思われる人が顔を覗かせた



漂流者が3人異国の言葉を交わし
不敵な笑みを浮かべる


「ねぇ」


ヨイチと呼ばれていた、綺麗な黒髪の漂流者が
此方へと鋭い視線を向ける


「君だよ」


もう一度自分へとかけられる言葉に
ハッとして数回瞬きすると
オルミーヌがそっと背中に手を当て優しく
微笑んで異国人の言葉を伝えてくれる。



『助けて頂いてありがとうございます。』


何の用でしょうか、恐る恐る下げた頭を
上げながら問うと。
ノブナガも、顎に手を当て首をかしげながら
まじまじと此方を覗いてくる。



「君も、エルフ?」



与一の言葉をオルミーヌから伝えられると
大きな瞳がグラリと揺れた。
『‥‥私は』



「顔は、整っておって綺麗だが
エルフとは少し違う気もするのお」


ノブナガは、するりとの頬に手を添えると
「エルフとは違う、近しい色気を感じるんじゃがのう
貴様日本の血が流れているのではないか?」


読み取れない笑みを浮かべ
頬て当てたてを滑らせ
柔らかな髪を耳へとかけると
短めの尖った耳が表れる。
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