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タイトル未定《ドリフターズ》

第1章  壱




薄暗く湿っぽく
光の届かない
この小汚い部屋に
仲間たちの哀しく艶っぽい声が
響き渡る。





オルテ兵士が代わる代わるにやってきては
人形の様に私たちを扱うと
己の欲を吐き出す




最近は声を出すどころか
抵抗する事も諦め本物の人形の様になり
ただただ自分の番が回ってこないことを
時間が過ぎることだけをかんがえている




もう動く力もなく
首に繋がれた鎖頼りに壁にもたれかかり
隣に項垂れる仲間に寄り添いながら
そっと目を閉じて

聴力も心も全てを閉じ込める





ドカッ




突然の
大きな音とともに扉が開かれ
オルテ兵の動揺した声が響く

久しぶりの明かりに目が慣れず
音のした方を振り向けば
貫かれる程の鋭い瞳だけが闇に浮かび

死んだ様に機能しなかった
自分の心が、ドクンと脈を打った。







「おいが間違っちょった



こん城ん奴ばら共は糞じゃ」




「撫で斬りぞ
根切りぞ こん城ん兵どもは皆殺しじゃ」


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