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タイトル未定《ドリフターズ》

第4章  四






『私も大好きよ


だから、失くしたくないの
ただただ見ているだけじゃ
あの時と同じだもの


守りたい。』






守りたい。と自分に言い聞かすように
は呟いた。




「今日は色々あって疲れているでしょうし
早く休んだほうがいい
戻りましょうか?」


そうですね、と後に続くオルミーヌ達に
は先に戻るように伝える



『私はもう少ししてから戻ります』


「さん‥‥?」



『おやすみなさい』

そう言って2人の背中を見送ると
川の流れる音とパチパチと
焚き火の音だけがの周りを包む




『シャラ』


がポツリとそう呟くと
後ろで枝を踏む音が聞こえた



「」


木々の間からシャラが姿を現し
ゆっくりとの元へ歩み寄ると
後ろから引き寄せるようにの身体を
包み込む



「」


後ろから抱きしめの首筋に顔を埋めると
存在を確かめる様に、名前を呼ぶ


『シャラ、大丈夫だよ』



「何がだよ」


シャラは顔を埋めるの
細い首元へと唇を当てすこし力を入れて
吸えばから甘い吐息が漏れる



『っ‥‥しゃ、ら?』



「大丈夫なんかじゃない」


の柔らかなブラウンの髪を退ければ
首筋には薄っすらとまだ
鎖の跡が残っている



なぞる様に舌先で舐めれば
はくすぐったいという様に体をねじる


鎖の後に上書きする様に
もう一度強く吸いつけば
の身体はピクリと反応する



『くすぐったいよ‥シャラっん、』




自分の名前を呼ぶふっくらと可愛らしい唇を
かぶりつく様にふさぎ
幾度も角度を変え啄めば
の肩の力が、すこしずつ抜け
とろんとした瞳で見上げてくる


その大きな瞳からポロリと大粒の涙がひとつ流れた
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