第4章 四
「‥ごめん」
はびっくりした様に
頬を流れる涙を拭うと
自分でも不思議そうな顔をした
『あれ、何で私‥‥』
「ごめん」
『んーん、焚き火で目が乾いちゃったのかも
シャラ、心配させてごめんね
でも私も貴女達と一緒に戦いたいの
守りたいの
だって、わたしもエルフだもの』
そう、にこりと笑みを浮かべるに
つられてシャラも笑顔になる
「うん、でも絶対に無理はしないでくれ」
『うん。』
『もう、戻ろっか』
はシャラの腕から抜けると焚き火を消した。
「は強いな」
シャラはの背中を見ながら呟いた。
『そうかな?
でも、そう見えるなら
シャラのお陰、みんなのお陰』
「?」
『強くなりたいって思ったの
シャラ達があの暗い部屋から
地獄から私を
お日様の元へと連れ出してくれたから
何が大切か分かったの。
もう2度と失いたくない
自分で考えて自分で守りたい
そう思わせてくれたから
だからこうやって振り返らずに
前へ歩こうって思えるんだよ』
そう言って前を歩くがどんな顔をしているか
わからないけれど、
月明かりの下歩く彼女の後ろ姿から目を離すことができなかった