第13章 ボディーガード
2回目の撮影が終わってから、仕事が増える。
それは、バラエティーのゲストだったり、雑誌のインタビューだったり。
元々があれだけ地味だった私が、それなりレベルに見えるようになったからのようだ。
今だけ注目される一発屋のようなものでも、話題性を狙うなら使うべきという考えが多いらしい。
お披露目の時、最大限まで地味な見た目で撮影をしたのが功を奏している。
どの番組も、雑誌も、2回目の1年シンデレラ放送日より後に放送、発売するもののようで。
今のところは誰かに騒がれたりした訳じゃないから、まだ有名になっている自覚もない。
そんな状態のまま、2回目の放送日がやってきた。
旅番組のような、街紹介番組のようなもののゲストとして、撮影が入っている日で。
リアルタイムでは見れないから、録画予約はしてきたけど、多分見ない。
だって、あのVTRをもう一度見るなんて何の羞恥プレイよ。
そんな訳で、放送時間だとか気にせず…。
いや、正直に言えば芸能人と並ぶのは未だに慣れないから緊張で気にしている暇なんか無く。
相変わらず、噛み噛みのコメントをしながらの撮影を終えた。
共演した人達に打ち上げに誘われたけど、生憎と時間が遅く。
こんな時間から食事したなんて、京治くんに知られたら後が怖いから断った。
挨拶が終わると、撮影に同行していた縁下さんが送ってくれると言ってくれたけど、それも断る。
最近トレーニングも出来ていないから、少しでも運動しておきたかった。