• テキストサイズ

【HQ】1年シンデレラ

第39章 サプライズ


テーブルの上に箱が置かれる。
車の中で見たアクセサリーケース。

「りこ、受け取って貰える?」

中身は勿論知っているし、返事もイエスだから頷いた。

箱を手に取る。
これを開けて、中の紙を読んだら驚いた顔でもすれば良いかな。

演技をするつもりだったのに、開けてみたら本当の驚きが待っていた。

中身は、あの結婚してくださいって書いた紙じゃなく…。

「…指輪。」

思わず口から漏れた、それが入っていたから。

「俺と結婚してください。」

紙に書かれていた筈の言葉は、声となって耳に届く。

自分自身、驚いているのか、喜んでいるのか、分からず。

「…あ、えっ…。」

大いにパニックを起こして言葉にならない声を出している。

「返事、聞かせて貰って良いかな?」

私とは対照的に、力さんの方は冷静だ。
車から降りた時に掛けた言葉で、もう私の答えを分かってるんだ。

気付かれていると思うと、恥ずかしさまでプラスされて、声が出ない。
コクコクと何回も頷いて返事をするので精一杯だった。

その瞬間、辺りからクラッカーの音が鳴り響き、隣の部屋で待機していたらしい社長とシンデレラが入ってくる。
口々に祝福の言葉を掛けられて、誰に対して反応すれば良いのか分からず。
その後、数分間は私のパニック状態が続いていた。
/ 243ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp