第5章 試験に追われてる日こそ遊びたい
夏海の部屋は家の外装と違い洋式な部屋になっている
「どこ行ってたの?連絡くらい寄越しなさいよ」
『ちょっと○県まで…』
「ちょっとじゃないでしょ!そんなところに行ってたの?そりゃ見つからないはずだわ」
『見つからないって?』
「“X“が血眼であいりを探して隣県にまで領域広げちゃって…」
『はぁ!?』
「そう。最初はうちの学校の前を張ってたんだけど。どこからかあいりが休学届け出したって聞いたみたいで…」
『えっ?それ本当?』
「本当よ!元々“X”は力があったのに勢力拡大とかそうゆうの興味なかったでしょ?だから今まであそこの地域だけ支配下だったのに、あいりがいなくなってから凄い勢いで征服していったのよ」
『それは凄いね…』
「でもここ2、3週間音沙汰なしで最近幹部の方々見かけないのよ。荒れてるって噂聞くし、繁華街では仁さんに抱かれたって女の人まで出てくるし…あいりに出会う前の“X”に戻ったって感じ」
『…そっか。でもこれで良かったの…』
「どうして?あいりは本当にこれで良いわけ?」
『…私がそばにいればいるほど邪魔になっちゃうから…』
私がいたらが彼らを苦しめる
だから大切な居場所だった“X”から自分で離れると決めたのに‥
スゴく悲しく胸が苦しい
「あいり~!」
『…っ。グスッ…ッ…』
この日夏海とふたりで泣いた
彼らを思って泣くのは最後にしよう
思いっきり泣いて忘れよう
少しして夏海のお母さんが様子を見に来たらふたりして目が真っ赤になってるものだから驚いてた
「顔すごいわよ」
『夏海こそ』
明日は瞼がきっと腫れるだろう
目が開くか心配だわ