第16章 温厚な人ほど怒ると怖い
そろりそろりと会場に戻った
周りを見渡すが私たちがいなかったことに多分誰も気付いていない
あれ?あそこにいるのは
あっ‥‥こっちを向いた
これでもかと目を大きく開く
いつものビジネス用のスーツでなく、黒紺色のスーツに控え目な青のストライプが入った感じのおしゃれなスーツを着ている‥‥たっちゃん
そういえばパーティーに出席するって伝えるのを忘れていた
この会場に私がいることに驚いたのかも
うん。でもたっちゃんだから‥
なんとなく察してくれるだろう
あとは特進科で見たことのある顔が数人
ってそんなことはどうでもいい
今は仁パパのスピーチだ
正直どうすればあんな性格の息子が育つのか聞きたいところだ
仁パパもひねくれてたりして‥
どんな人なんだろう‥
ステージに目を向けると‥
‥‥
‥‥‥
『‥‥‥あれ?何で龍ちゃんがいるの?』