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あなたにだけは囚われない!【R18】

第15章 信じることは簡単なことじゃない!


『斗真…やっぱり変だよ?何かあったでしょ?』

いつの間にか俺の正面に立っている彼女
チームのことは全く知らない、というより仁が教えない
まして仕事の内容は極秘だ

「ん~?な~んにもないよ。
あいりちゃんはそんなに俺が心配?
ん~強いて言うならタイプの女の子が見つからなかったことかな~?」

『……。
ほどほどにね?斗真だって大切なチームの一員だよ?』
何かを悟っても深くは聞いてこない彼女

「あいり浮気か?」

『ちょっと…!仁!違うっん!』

きっと仁は俺の気持ちに気付いてる
それを直接は言ってこない
仁なりの気遣いだと思う

目の前であいりを抱き締めながら目だけはこっちを向いて“こいつは俺のだ。いい加減諦めろ”と睨み付けられる

「和馬~情報」
「さんきゅ…」
パソコンを弄る和馬に封筒を渡すと苦笑いをされ
「いくらお前でもあの子だけは手に入らねぇよ」

「…知ってるよ~」

目の前で一途に好きな男を見つめる彼女の姿に惹かれたから…最初っから失恋決定だったんだけどな?


『もう、仁!怒るからね?』
「それもいいな?怒ってくれよ」
『……優助けて…』
「フッ…降参か?」
「…仁はMだったんですね?あの“X”の王さまが実はMだったとは…」
「…チッうぜぇ」
『Mってなに?』
「…お前のことだ…」
『えっ?どういうこと?』



純粋で真っ直ぐで意外と強いあいつ

あの王さまですら手こずるあいつ

真っ直ぐ俺自身を見てくれる女に出会いたい…

誰でもいいと思っていた頃に比べれば成長したな俺

「…斗真…心配…でも平気そう…」
「ああ、意外とな…」

俺には仲間がいる
今はひたすら前に進むしかない
がむしゃらに進めばきっと新しいものが見えてくる


「会議始めますよ」
「へいへい」
「あ、斗真。仁から伝言です」
「ん?」
「“てめぇに女はまだ早ぇ”だそうですよ」

「「「「……プッ」」」」
「てめぇら、特に海斗笑うな!」
「何で俺だけなんだよ?」

一緒にあいりも笑っていた
今は一番それが楽しいから細かいことは気にしねぇ


~斗真side end~
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