第11章 上書きって意味知ってるのかしら?
『失礼します』
座敷に通され正面に座る白髪の老人の前に座る
「…お前が来るとは珍しいな……明日雪でも降るんじゃないか?…あいり」
目を細め皮肉を交えて話すこの男…
『…お久しぶりです、お祖父様』
私の祖父だ…
「最近学校はどうだ?」
『…お祖父様が一番よく分かっていらっしゃるのでは?』
「…知らないから聞いている」
『まさかの“普通科“に落とされるとは思ってもいませんでした』
「…はて?なんのことだか。」
そう、普通科に私を落とした張本人はこの祖父だ
『学校になにをしたのかは知りませんけど私の生活に干渉しないでください』
「……軽口はそのくらいにしろ。で?要件はなんだ?」
『私の婚約を破棄していただきたく参りました』