第10章 立ち止まってもいいですか?
午前中の授業が終わり、夏海と中庭へ
いつもの桜の木の木陰に座る
お嬢様たちは地べたに座ることはしないため人気も少ない
風通しも良く快適で穴場だと思う
今日はコンビニで買ったサンドイッチと野菜ジュース
『最近、大和さんと会ってないけど元気?』
「兄貴?ん~実は私も最近会ってないのよね?会社の手伝いとか大学が忙しいみたいだし…」
『跡継ぐのって大和さん?』
「そうよ、どっちでも良いって親父は言ってくれてるんだけど私が継いだらきっと潰れちゃうだろうし、社員の生活かかってるし、そこまで責任は背負えないし…」
『頑張ってるね大和さん…』
「あいりは進路考えてるの?」
『ん~、就職かな…。たっちゃんに迷惑かけっぱなしだから早く自立しなくちゃ』
「そっか…あいりはすごいわね」
『そう?まだ時間あるしゆっくり考えて行けばいいんじゃない?』
「そうよね、そうするわ!」
芝生に寝転びちょっと休憩…
空が晴れててすごくいい気持ち…
「あいり寝ないでよ…」
『…夏海こそ…起こすの大変なんだから…』