第10章 立ち止まってもいいですか?
「おはようあいり!」
『おはよう夏海、課題やっ……てないね?その顔は』
「あいり~!助けて数学終わらないの!」
夏休み明けの初の授業
この学校は多額の授業料、寄付金、があるためか
夏では教室だけでなく廊下、トイレ、体育館まで冷房が効いている。
世間ではCO2排出量だ何だのってうるさいけど、この学校はお構いなしにどんどん排出…
『…快適すぎる…』
隣は必死で私の課題を写す夏海…
でもこの“普通科“では珍しいことではない
周りを見渡せばいつもはスマホや化粧しかしていない生徒も、今日はシャーペン片手にカリカリ書き写す
5科目出たら“5人で分担しよう“という流れが普通で、ひとりで全てこなす生徒は少ない…
「おはよう、やってるなー元気にしていたか?」
担任のドンキーが入ってきて急に彼の周りだけ、温度が1,2度上がった気がする
「あまり関係はないが特別科にひとり転校生がいるぞ~
そんな事よりも、課題は終わったか!?これ出さなきゃ進級できねぇぞ~!放課後までに全員提出だ!写すのはダメだぞ!分かんねぇなら俺に聞け!」
“以上!終わりっ!”と言って出ていったドンキー