第1章 はじまりの日
まったく、霧子のやつ。
進之介は、朝から霧子と喧嘩をして、
気分は最悪だった。
と言っても、喧嘩の発端は
ささいなことだった──。
「お弁当がいらないてどういうことよ!?」
霧子がすごい形相で詰めよった。
進之介は、慌てて取り繕う。
「い、いらないんじゃなくて、
今日は食べる暇がないから持って行っても
無駄になるって言っただけでっ...!」
その言葉がさらに霧子を怒らせ、
「無駄!?ひどいっ!」
「えっ、いや、そうじゃなくて、霧子っ、、」
必死で言葉を探したが、霧子はもう聞いちゃいない。
「ならご希望通り作りませんっ!」
そう言うと、
霧子は進之介に背を向け、
寝室に閉じこもってしまったのだ。