第13章 パパと呼ばないで!?(1)
でも妙だなー…あの時はこの子、俺を見ても何の反応もなかったのにな…
和「取り敢えず、その女性に会って、事実を確認した方が良さそうですね」
翔「そうだな。後でこの子の家を聞いて行ってみるか」
そんな話をしていた矢先…
さ「パパ…」
・・・やっぱこの場合、俺の事だよな…
智「何?」
さ「これ、ママから…パパに会ったら渡してって言われてたの」
智「え!?か、貸して!」
それは一通の手紙だった
雅「何?智兄何だって?」
智「…さくらちゃん…お腹すいてないか?」
さ「うん、すいた!」
智「潤、悪いけど何かこの子に作ってやってくれないか?」
潤「え?あ、うん…」
智「さくらちゃん、あのお兄ちゃんの作ったのメチャクチャ旨いから、好きなの何でも作ってもらいな」
さ「うん!」
潤「じゃあ行こっか」
さ「パパまた後でね―」
潤にさくらちゃんを預けたのは、この手紙の内容をあの子に聞かせたくなかった…
翔「智くん…その手紙やばい内容…?」
智「…うん…『訳あってこの子を育てられなくなりました。さくらの事よろしくお願いします』だって…」
和「・・・何…それ?」
雅「ふざけんなよ!何勝手な事言ってんだ!!」
翔「…雅紀、落ち着けよ」
雅「落ち着いてなんかいられないよ!…母親に捨てられたなんて知ったら…さくらちゃん…可哀想だよ…」
和「雅紀兄さんと同意ですね。あまりにも馬鹿にしてます」
智「雅紀…和也…」
翔「智くん…今日の所はさくらちゃんを預かって、明日家に行ってみよう?俺、後で電話してみるから」
智「…うん…お願い」
俺は雅紀と和也の心情を考えると胸が締め付けられる想いだった…