第118章 ひとつ屋根の下
~智side~
フェリーでの一件から1年が経っていた
俺は3日間意識が混沌としていて、事実を聞かされたのはそれからさらに2日後だった
あの時の犯人は岡っちが必死で捜査してくれ、1ヶ月後に逮捕された
…けど…翔くんは…
和「…もう1年になるんですね…翔兄さんが行方不明になって…」
智「…そうだな…」
爆発があった付近をくまなく探したけど、見つかったのはボートの破片だけで翔くんは見つからないまま、捜索は打ち切られた
俺達も大野グループの総力を結集して捜索したけど、何の手掛かりも得られなかった
翔くんがいなくなって、一番落ち込んでいたのは潤だった
暫くは食事も取らず、睡眠もせずに倒れるまで捜索していた
今では大分落ち着いてはいるけど、和也によると時々翔くんの部屋で1人泣いてる時があるらしい…
そして雅紀は以外にも普段と変わらなかった
理由を聞くと
雅「だって、まだ翔ちゃんが死んだと決まった訳じゃないから。俺は信じてるから…きっと翔ちゃんは生きてる。何年かかっても俺が翔ちゃんを探し出す」
と力強く話していた
それを聞いて、一時便利屋を休業する事を考えていたけど止めた
この仕事をしていたら、いつか情報が入って来るかもしれないから…
和也と潤も賛同してくれ、今は以前と変わらない慌ただしい生活が続いていた
翔くんを除いて…