第116章 retaliation(1)
~智side~
智「ふぁー…疲れたー…」
喫茶店の手伝いも一段落つき、俺と翔くんは事務所に上がっていた
翔「お疲れ様、ごめんね智くん。朝も依頼で剪定作業してきたばかりだったのに…」
智「だーい丈夫!明日と明後日は依頼が入ってないから、こんな疲れるの今日だけだよ」
翔「でも、次の依頼が入ってるよ?もう出ないと…」
智「え?やべっ!もうそんな時間なのか!?」
実はこの後もう一件依頼が入ってたから、俺は慌てて着替えを済ませた
智「確認だけど、何の依頼だったっけ?」
翔「先日閉めた工場の後片付け」
…また体力仕事かよ…
本当はこういうのは雅紀がする事が多いんだけど、雅紀は別の依頼が入ってたから無理だった
翔「…俺も行こうか?」
智「大丈夫だよ、翔くんもまだ書類整理終わってないんだろ?喫茶店の片付けもあるし」
翔「じゃあ雅紀が帰ったら手伝いに行くように連絡しておく」
智「そうしてくれ。じゃあ行ってくる」
翔「気をつけて」
俺はそのまま事務所を出て依頼のあった工場に向かった
智「すみませーん、大野何でも屋です!」
工場に着いて声を掛けたけど、誰も出てこなかった
智「…おかしいな…確かに今日の指定で依頼が入って…」
…そういえばおかしいな…
依頼では後片付けだったはずなのに、荷物が何もない…
俺が不審に思っていたら
<カツーン…>
後ろから足音が聞こえて振り向くと、男が1人立っていた
智「…?あんた…何処かで…」
そう言ったその時
<バーーーン…>
智「…え…?」
銃声と同時に腹に衝撃を受けて見ると、俺の腹からは血が流れていた
智「…あ…」
そして俺はその場に倒れ込み、そのまま意識を失った…