第114章 思わぬ出会い(10)
<コンコン>
母「あなた、大野さんがお見えです」
父「ああ」
洋子さんに案内されて父さんがいる部屋に入った
父「よく来てくれたね」
和「お邪魔致します」
父さんから促されて俺達はそれぞれソファーに座った
雅「あの…俺の事で話があるって聞いたんですが…」
父「…先日会社に来てくれた時、私は君の事を知ってると言った…だか、私が君に会ったのはあの時が初めてだったんだ…これを見てくれ」
そう言って父さんは1通の封筒を差し出した
雅紀はその中身を見て
雅「え…これ母ちゃん?」
翔「え?」
その封筒の中には写真が1枚入っていて、その写真に写っていたのは赤ん坊を抱いた雅紀の両親だった
智「何故この写真が?」
父「雅紀くん、ご両親が駆け落ちをした原因は知ってるかい?」
雅「え…ジイチャンから父ちゃんとの仲を反対されて、お見合いをさせられそうになったって…」
父「…その見合い相手は私なんだ」
雅「え!?」
父さんが雅紀のお母さんの見合い相手!?
父「私もその当時父親から薦められてね…だが私には翔の母親である陽子がいた…例え行方が解らなくても陽子以外と結婚するつもりはなかったんだ」
翔「父さん…」
父「だから形だけの見合いのつもりで行ったんだが、彼女も別に恋人がいて、しかもその彼との間に子供を身籠っているって言ってたんだ」
潤「もしかして駆け落ちの要因って…」
父「そう…会長から堕ろすように言われたらしく、もう駆け落ちするしかないと言っていた…」
その話を聞いて雅紀はかなり驚いた顔をしていた