第113章 思わぬ出会い(9)
母「学校が終わったら直ぐ帰りなさいと、いつも言ってるでしょ?何してるの?」
修「…ごめんなさい…でも母さん僕は兄さんに…」
母「今日は家庭教師の先生が来られる日でしょ?今直ぐ帰りなさい」
修「・・・」
修は社長婦人から強く言われ、何も言えずにうつ向いてしまった
母「しゅ…」
翔「修、今日の所は帰った方が良い」
修「兄さん…でも僕…」
翔「店の手伝いに来なくても、何時でも遊びにくれば良いよ。もちろん習い事のない日にな」
俺がそう言うと、修は嬉しそうに
修「本当?遊びに来ても良いの?」
翔「もちろん」
修「ありがとう兄さん!じゃあ今日は帰るね」
そう言って、来た時と同じくらいの満面の笑顔で帰っていった
…本当に切り替えが早いな…
智「…櫻井さん…何かご用ですか?」
母「…別に…修がなかなか帰って来ないから様子を見に来ただけよ…では、失礼するわね」
翔「待って下さい!」
俺が呼び止めると、櫻井婦人は立ち止まり俺の方に向いた
母「…何かしら?」
翔「…少しお話させてもらえませんか?」
母「悪いけど、私も暇じゃないの。またにして…」
翔「お時間は取らせません…それとも、俺の話を聞く事に何か不都合でもありますか?」
母「…良いわ…ただし10分だけよ」
そう言って櫻井婦人は奥の席に座った
智「翔くん…」
翔「智くんごめん…自分で終わらせた事だけど、やっぱり真実を知りたい…何かあっても俺が責任を取るから…」
智「…解った…翔くんがそこまで言うなら…」
潤「店は閉店にしてるから、気にせず話をして」
翔「潤…ありがとう…」
俺はそのまま櫻井婦人の向かいに腰掛けた