第10章 嫉妬
~智side~
俺は岡っちと話をするため、雅紀達を部屋から出した
岡「…大ちゃんも俺の事軽蔑するか?」
智「…いや、岡っちも警察官である前に人間だからな…気持ちは解るよ。でもな、岡っちだからこそ今回の事は一番やっちゃいけない事だったんだ」
岡「…え?」
智「忘れたのか?岡っちが警察官になるって決めたあの事件を」
岡「!!」
・・・そう、あれは俺達がまだ高校生だった時、岡っちは買い物のため一人で街に出ていた…
その時、岡っちは他校生にからまれ暴行を受けていた。
その当時岡っちはまだ身体を鍛えていた訳ではなかったから、不良グレープからすれば岡っちはかっこうの獲物だったようだ…
そんな岡っちを助けてくれたのが交番勤務をしていた警察官で、その後も何かと岡っちの相談等を聞いてくれたりして色々救われたらしい…
そんな事があって岡っちも沢山の人を助けられるような警察官になりたいって決めたんだ
智「今の岡っちはあの時の不良達と変わらない。力で翔くんをねじ伏せて自分のものにしようとしてる…そんな岡っちは誰の事も救えないよ」
岡「…ううっ…」
俺の言葉に自分がした事の重大性に気づいてくれたのか、岡っちは声を殺して泣いているようだった…