第99章 突然の来訪者
智「で?憲ジイ何しに日本に帰って来たんだ?」
…?何しにって…普通に里帰りじゃないの?
俺と翔兄さんは、智兄さんの言葉に疑問を感じていた
和がそれに気づいて
和「憲治オジサンは一年中海外を飛び回っているんです。何か用事がなければ盆正月でも戻って来ないので」
成る程…
翔「じゃあ俺が本社で会ったのはホントに偶然だったんだ…」
和「はい。私達も頻繁に会わないので、翔兄さんの話を聞いたのが憲治オジサンだと思いませんでした」
…それって会長に会うより凄い確率だよな…
雅「翔ちゃん」
翔「ん?」
雅「憲ジイが呼んでるよ」
翔「え、俺?」
何で翔兄さんを?
憲「まぁ、ここに座れ」
翔「…はい…」
翔兄さんは意味も解らず憲治さんの向かい側に腰掛けた
憲「お前、大野の籍に入ったんだってな。何でだ?」
憲治さん…さっきまでのおちゃらけた雰囲気と違って厳しい顔付きに変わった…
憲「お前、あの時俺に言ったよな?『自分は大野グループとは関わりのない人間だから、大野から籍を外して下さい』って。何で今さらまた大野になったんだ」
翔「・・・」
和「憲治オジサン、それは私がお爺さんに頼んで…」
憲「和也に聞いてない。翔に聞いてるんだ」
翔兄さんはうつ向いたまま、憲治さんの話を聞いていた
雅「憲ジイ、この話はジイチャンも…」
翔「雅紀…良いから」
雅「翔ちゃん…」
憲「お前、今頃になって大野グループに未練が残ったのか?」
その言葉には翔兄さんは頭を左右に振って否定した