第93章 もどかしい想い
その時、潤が飲み物を持って戻ってきた
潤「はい翔兄さん、これ飲んで」
そう言って潤はホットミルクを持ってきてくれた
翔「ありがとう…」
俺は潤からカップを受け取り一口含んだ
翔「…美味しい…」
潤「良かった…それ飲んだらまた眠ったら良いよ。まだ深夜だし…」
寝る…?またあの夢を見るんじゃ…
怖い…寝るのが…
雅「翔ちゃん?」
俺が無意識に握っていたカップがカタカタと震えていた
潤「翔兄さん大丈夫?」
翔「…嫌だ…怖い…寝るのが…」
雅「怖い?どうして?」
翔「夢…見るんだ…わからないけど…何故か怖い…」
目が覚めると今見た夢の内容は忘れてるんだけど、何故か恐怖だけは残ってる…
雅「翔ちゃん…」
その時雅紀が俺の頭にそっと手を差し出してきた
その瞬間、脳裏に得たいの知れない恐怖が沸き上がった
翔「い…嫌ーーーっ!」
<パーンっ!>
雅「翔…ちゃん…」
翔「あっ…」
俺は思わず雅紀の手を思い切り叩いていた
潤「翔兄さん!」
翔「ご…ごめん…雅紀…俺…」
雅「…大丈夫だよ翔ちゃん…俺こそいきなり触ってごめんね。驚いたよね」
そう良いながらも雅紀の顔は悲しそうだった
雅「俺自分の部屋に戻るよ。潤、後は頼むな」
潤「雅紀兄さん…」
そう言って雅紀は部屋を出ていった
翔「雅紀…心配してくれてたのに俺…」
潤「…大丈夫、雅紀兄さんも解ってるから。それより翔兄さん、眠れないなら俺一緒に寝ようか?」
翔「え?」
潤「昔よく翔兄さん、俺が怖い夢見て泣いてたら一緒に寝てくれたじゃない。今度は俺が一緒に寝てあげるよ」
翔「それって子供の時の事だろ?」
潤「良いから良いから!ほら寝ようよ」
そう言って潤は俺のベットに入ってきて俺を抱き締めてきた
潤「ほら…こうすると落ち着くでしょ?」
翔「…うん…そうだな…」
俺はその後夢を見ることなく眠る事ができた