第90章 heartbreak
潤「言っておくけど、いくら俺でも机の中の物まで勝手に片付けないよ。あの本は翔兄さんが自分であの棚に置いたんだから」
翔「…え?俺が…?」
潤「大丈夫…全て知ってるから…俺と翔兄さんに血の繋がりはないって事…」
すると翔ちゃんはかなり驚いた顔をしていた
潤「ある出来事があって、偶然だけど『櫻井』って名前を知ったんだ…で、翔兄さんが全て打ち明けてくれたんだよ」
翔「そう…だったんだ…」
その話を聞いた翔ちゃんは何故か項垂れてしまった
雅「…翔ちゃん?」
翔「…何で俺、そんな大事な事忘れてるんだろう…」
雅「あ…」
翔「何か知ってるのか?なあ!何でなんだ!?」
翔ちゃんは俺の両腕を掴み問いかけてきた
…言えないよ…あんな辛い事…
潤「翔兄さん!」
俺が返答に困っていたら、潤が翔ちゃんを引き離してくれた
翔「潤…お前も知ってるのか?」
潤「…知ってる…何で翔兄さんが記憶をなくしたのか…でも俺達の口からは言えない…これは翔兄さんのためでもあるんだ…」
翔「俺の…ため?何で…」
潤「…ごめん…これ以上は言えない…知らない方が良いって事もあるから…でも勘違いはしないで。決して翔兄さんを阻害しようとかじゃないから」
翔「…解った…ごめん」
雅「謝る事ないよ翔ちゃん…誰だって記憶がなくなったら不安になるんだから」
翔「…うん、ありがとう…雅紀」
…あ…今俺の事雅紀って…
雅「翔ちゃーん!ありがとうー!!」
翔「え!?な、何で!?」
久しぶりに翔ちゃんから『雅紀』って言ってもらっただけでこんなに嬉しいって思わなかったから、思わず抱きついちゃった
翔ちゃんとの関係は一から始まるけど、また俺の事好きになってもらえるように頑張るぞ!
雅「翔ちゃん大好き!!」
翔「!?」