第88章 望まぬ指令(3)
~雅紀side~
智兄達が帰ってきてから翔ちゃんの様子が気になった
…何か思い詰めたような顔をしてたけど…
その訳は智兄が教えてくれた
和「え、翔兄さんのご家族!?」
智「うん…ジイチャンが知ってるって…」
翔ちゃんの家族が見つかった!?
雅「何処の誰なの!?」
智「それが…教えてくれなかったんだ…」
和「何故ですか?」
潤「…どうやら今回の後継者問題に関わりがあるらしいんだ…」
え?な、何で?
智「雅紀…何で?って顔してるな…」
雅「当たり前だよ!何で翔ちゃんの家族が後継者問題に関わってくるの!?」
智「解らない…もしかすると翔くんの両親が大野グループに関係してるかもしれないし…」
潤「兄さん達、心当たりない?」
智「俺はないな」
和「私もですね」
雅「俺だってあれば真っ先に翔ちゃんに言ってるよ!」
潤「…だよね」
翔ちゃん…大丈夫かな…
和「…翔兄さんの事、気になるんでしょ?様子見てきたらどうですか?」
雅「え…うん…」
和に見抜かれて、やっぱり気になった俺は翔ちゃんの部屋に行った
<コンコン>
雅「翔ちゃん…俺だけど…入って良い?」
翔「…どうぞ」
部屋の中に入ると、翔ちゃんはベットに腰掛けたまま俺の方に顔を向けた
翔「…どうした?」
雅「あ…その…」
…様子見にきたは良いけど、何て声掛けよう…
悩んでいた所に翔ちゃんが
翔「…聞いたんだろ?智くん達に…」
自分から声を掛けてくれた