第85章 隠された真実
智「で、それを親戚の集まりで言ったもんだから恥をかかされたって逆恨みして、和を拉致して暴行しようとしたらしい」
潤「暴行!?和は大丈夫だったの!?」
智「和也はな」
…和也は?どういう事?
智「拉致されそうになった時、偶然雅紀が居合わせて和也を助けたんだ。けどその代わりに雅紀が暴行を受けて病院に運ばれたんだ」
潤「雅紀兄さんが…?」
雅「あの時、俺まだ武術とか習ってなかったからな」
そう言って雅紀兄さんは少し寂しそうに笑った
智「初めてだったよ…和也が人前であんなに泣いたのを見たのは…ずっと雅紀の側にいて『雅兄ごめんね』って言い続けて…それからだな、和也の口調が変わったのは」
雅「ああ…そういえばそうだね。退院した時には敬語になってた」
潤「何で…」
智「…多分自分の感情を圧し殺したかったんじゃないか?和也がアイツに怒鳴り付けた事が原因だって思ったみたいだし…」
雅「そういえばあの時からだよね?和が役者になりたいって言い出したのは」
…きっとそれも自分を隠し通す為に…敬語で話す事も人に対して柔らかい印象を与える為なんだろうな…
智「…なぁ潤…前に翔くんから聞いたんだけど、お前が剣道を始めたのって翔くんを守るためなんだろ?」
潤「え?あ…うん…翔兄さん昔から変な男に絡まれる事があったから…」
雅「え!そうなの!?」
…?何で雅紀兄さんそんなに驚いてるの?
智「実は雅紀もなんだよ。あの事件以来、自分が和也を守るって言って武術を始めたんだ」
潤「そうなんだ…」
智「話はそれたけど、俺が知ってるのはこれくらいだよ…これ以上知りたければ和也に聞けば良いよ」
潤「大丈夫…ありがとう智兄さん雅紀兄さん」
俺は二人にお礼を言ってリビングを後にした