第78章 忘れられぬ想い(8)
翔「葛城さんがアメリカに?」
あの後、家に帰って翔ちゃんに教えるため翔ちゃんの部屋を訪ねていた
雅「うん…来月には行くんだって。戻りは解らないらしいよ」
翔「そうか…」
雅「それから葛城さんが、この話は以前からあった事だから気にするなって」
翔「ん…」
とは言っても、やっぱ気にしてるな…翔ちゃん…
雅「後、もうストーカーも諦めるだろうから、今回の依頼はこれで終了にしてくれて構わないって」
翔「…それで良いんだろうか…」
雅「え?」
翔「ストーカーって、そんな簡単には諦めないと思うんだ…葛城さんがアメリカに行ったと知ったら…」
やっぱり翔ちゃんも同じ事を思ったんだ
雅「でも依頼者が断ってきた以上、俺達にはもう…」
翔「うん…けど葛城さんからの依頼は、俺に恋人の役をしてもらいたいっていう事だけだから、その依頼のみ終了って事だろ?」
雅「あ、そっか。じゃあストーカーを見つけて警察につきだすのは…」
依頼とは全く関係ないから出来るんだ!
翔「ちょっと危険かもしれないけど、葛城さんにこれ以上危害が及ばないようにするには、俺達でストーカーを炙り出さないと」
雅「でもどうやって?」
翔「・・・」
…まさか…
雅「翔ちゃん…まさか囮になろうとしてる…?」
翔「それしかないだろ…」
雅「ダメだよ!そんな危険な事!」
翔「葛城さんがアメリカに行く前に終わらせるには、それが一番手っ取り早いんだ…」
そうかもしれないけど…でも…