第75章 忘れられぬ想い(5)
~翔side~
<ツーツーツー…>
葛城さんのマンションまで来て雅紀に電話して俺の想いを伝えた…
翔「皆…ごめん…結局あの家にはもう…」
俺は溢れそうになった涙を拭い、マンションの中に入った
俺の最後の仕事に…
外は俺の気持ちを表すかのように雨が降りだしていた
<ピンポーン>
俺が葛城さんの部屋のインターフォンを鳴らすと葛城さんは直ぐに部屋に通してくれた
葛「突然すまなかったな翔」
翔「いえ…何かありましたか?」
葛「実は今日、郵便でこんな物が届いたんだ」
それは俺の所に届いた封筒と同じもので、宛名に書かれた筆跡も同じようだった
翔「俺の所にも同じ物が届きました…でもこっちは…」
葛城さんの所に届いた写真を見ると、写真自体は同じ物だったけど、こっちは俺の顔がズタズタに切り裂かれていた
葛「…やり方が陰湿だな…」
…俺…そうとう恨まれてるな…
翔「葛城さん…心当たりありませんか?」
葛「俺がか?」
翔「ええ…まだ確証はないんですが、もしかするとこのストーカーはあの男娼館にいる誰かかもしれません…」
葛「あそこのか?…とはいっても…お前とハル以外では皆一度づつしか…」
…そうだよな…前にそう言ってたよな…
翔「葛城さん、ハルに連絡取れますか?ハルなら何かわかるかも…」
葛「わかった」
これで何かわかれば対処ができるかも…あとは…
翔「…葛城さん…」
葛「何だ?」
翔「申し訳ありませんが、今回のご依頼はここまでとさせて下さい…」
葛「…え?」