第74章 忘れられぬ想い(4)
~翔side~
雅紀と会話が出来ず、顔すら合わせられない日々が続いていた…
和「…翔兄さん…ちゃんと夜寝れてますか?顔色も悪いですよ?」
翔「大丈夫だよ…」
潤「大丈夫じゃないよ!食事だってほとんど食べてないし…このままじゃいつ倒れたっておかしくないよ!」
そう…俺は夜もほとんど眠れないし、食事も喉を通らなかった
智「翔くん病院に行こう」
翔「大袈裟だよ。本当に大丈夫だから…心配かけてごめん…俺、最近便利屋の雑務が滞ってるから、事務所に行ってるね」
智「そんなもん、今やらなくて良いよ!翔くん今日は休んでろ!」
翔「大丈夫だって。それに何かしてないと落ち着かないし…」
俺はおぼつかない足取りで事務所にあがった
翔「はぁー…目眩がする…」
事務所の椅子に座って俺はため息をついた
翔「…皆に心配かけて…俺何やってんだろ…」
このままじゃダメだ…
そう思った俺はスマホを手に取った…その時
<カタン>
翔「?何の音だ?」
俺は音のした入り口に確認に行った
すると、ドアの新聞受け口からどうやら封筒が投げ込まれたようだった
翔「…何でここから?郵便受けがあるのに…」
その封筒を拾い見てみると、宛名が「翔さんへ」と書かれていた
翔「俺宛て?」
不審に思いながらその封筒を開け確認すると、中には写真が数枚入っていた
その写真に写っていたものを見て俺は愕然とした
翔「…これ…この間の葛城さんとの…」
写っていたのは先日、車の中で葛城さんに抱かれた時のものだった