第71章 忘れられぬ想い(2)
翔「あの…葛城さん…」
葛「何だ?」
話も終わり、葛城さんを見送るため(ハルはまた潤の所に行った…後で回収しないと…)外まで来ていた
翔「…あの後の事なんですけど…」
葛「あの後?」
俺はあの日の事がどうしても気になっていたから、葛城さんに確認した
翔「俺を店から出してくれた…」
葛「ああ…その事か…そういえば翔は知らないからな…」
翔「俺を出してくれた事で、葛城さんに迷惑をかけたんじゃ…」
葛「いや。あの後そのまま店長の所に行って事情を説明したから」
翔「え?店長に?」
…でも、店長に言ったからって何の解決にもならないんじゃ…
葛「実はあの店のオーナーが、以前から違法に人身売買をしていたんだ…翔…お前もそうだろ?」
翔「あ…」
葛「で、その足で俺は警察に行って、お前から聞いた話と店長からの話を洗いざらい話したんだ。お前の名前はもちろん伏せてな」
翔「もしかしてオーナーは…」
葛「ああ、この間逮捕されたよ。まぁ、店自体は違法行為はしてないから、店長が新たにオーナーに就任して、経営はそのままやってるよ」
そっか…これからいい方向に行けば良いけど…
翔「葛城さん…本当にありがとうございました。あの時、葛城さんが俺の事助けてくれたお陰で、俺は今までと変わらずここにいられます」
葛「…その事に関しては、俺は後悔してるよ…」
翔「え?」
葛「あの時、お前を逃がさず俺の手元に置いておけば良かったとな…」
翔「葛城…さん…」
葛城さんは俺の頬に手を添えてきた
その時
和「翔兄さん!!」
翔「うわっ!!か、和也!?」
和也が突然店内から出てきた
和「あの人を早く連れ出して下さい!!営業準備の邪魔です!!」
ハ「えー?邪魔って何?僕は潤の側にいるだけなのにー」
和「それが邪魔なんです!!」
…和也…何か怖い…