第65章 ~番外編~追憶
~翔side~
あの日から7年、俺は高校卒業後外資系企業に就職した
潤は「翔兄さん大学に進学しないの?」って言ってくれたけど、潤が一流のシェフになりたいって言っていたから、将来自分の店を出すようになった時の為に、遺産は残しておこうと決めた
今潤は、アルバイトをしながら調理専門学校に通っている
俺は仕事終わりに、久しぶりにあるお店にきていた
翔「こんにちは、ご無沙汰してます」
木元「ああ、翔くん久しぶり。元気だったか?」
俺と潤がお世話になった、カフェ キモトに来ていた
翔「はい、マスターもお元気そうで」
木元「俺はいつも元気だよ。コーヒー飲むか?」
翔「はい、頂きます」
俺はカウンターに座り、マスターからコーヒーをもらった
木元「潤くんはどうしてる?」
翔「元気にしてます。毎日学校に通いながら、家の事もしてくれてるんで助かってます」
木元「まぁ、翔くんが家の事が出来ないから、潤くんが頑張らないとな」
翔「…どうせ俺は…」
木元「ハハハ!そう僻むなよ、事実だろ!」
…たまにキツいよなこの人は…
翔「…でも、今の俺達があるのは、マスターのお陰です」
木元「…そう言ってくれると俺も嬉しいよ」
俺達は暫く色々な話をした
何時もより少し遅くなって家に帰ると、自宅の前に男が3人立っていた
…何だろう…何かの訪問販売かな…?
不振に思いながらとりあえず声をかけてみた
翔「…家に何かご用ですか?」
すると、驚いたのか男の人達は振り返り
智「あ…えーっと…潤…くんに…」
翔「あー、潤の友達?どうぞ。多分あいつ中にいると思うから」
そう言って、彼らを中に通した
この時から、俺と潤の新たな生活が始まった