第65章 ~番外編~追憶
両親が亡くなって一週間が過ぎた
父さんの両親は2年前に亡くなっていて兄弟もなく、母さんは天涯孤独だったので、葬式は家族葬で済ませた
それでも、父さんと母さんの人望なのか、焼香に訪れる人は多くいた
それもなんとか落ち着き、今は俺と潤の二人になっていた
翔「潤ーっ!おーい、じゅ…」
潤を探していたら、父さんと母さんのお骨の前で座っていたのを見つけた
翔「…潤…」
近づくと、潤は俺に気がついて眼を擦りながら、何事もなかったかのように
潤「何?翔兄さん」
と、眼を赤くして微笑んだ
…泣いてたのか…
俺はしゃがんで潤の事を抱き締めた
潤「え!?し、翔兄さん!?」
翔「潤…何も我慢なんてする事ないんだ…泣きたい時は泣けば良い…俺が側にいてやるから…」
潤「翔…兄さん…ううっ…」
潤は俺の背中に腕を回して、泣いていた
この時俺は、父さん母さんの代わりに潤を守ること、そして立派に自立させる事が、俺をここまで育ててくれた両親への恩返しだと決めた