第57章 家族になろう(3)
翔「星児ー!輝ー!」
俺達は手分けして二人を探していた
くそっ!完全に俺の不注意だ!
早く探さないと、輝はまだ本調子じゃないのに…
あちこち探していると突然
店長「翔さん」
翔「あ、店長さん…」
今日訪ねたスーパーの店長さんが声をかけてきた
店長「ちょうど良かった。実はさっき星児くんを見かけたんです」
翔「え!?何処でですか!?」
店長「スーパーの前を通って行ったんです。こんな時間に子供だけで歩いていたので気になって…声をかけようと外に出たら見失って…」
翔「どっちに行きましたか!?」
店長「向こうです」
翔「ありがとうございます!!」
俺は店長さんが見失った方向に向かった
暫く走り続けていると、前方に子供の後ろ姿が見えた
翔「!星児!輝!」
星「あ…」
輝「翔兄ちゃん!」
俺は二人の側に駆け寄った
翔「はぁ…やっと見つけた…さ、帰ろうか」
星「…やだ…」
翔「星児…」
星「だってあそこにいると、父ちゃんの所に帰されるんだろ!?家に帰るくらいなら、盗みをしてでも野宿した方がましだ!!」
…やっぱり、聞いていたのか…
俺は二人を強く抱き締めた
翔「そんな事させない!俺がお前たちを守るから!だから帰ってこい!!」
星「翔兄ちゃん…本当に?本当に翔兄ちゃんの所にいていいの?父ちゃんの所に帰らなくていいの?」
星児は泣きながら俺に問いかけてきた
翔「ああ…大丈夫だ。これからは俺がお前たちの家族だよ」
星「翔兄ちゃーん!」
輝「うわーーーん」
星児と輝は人目も憚(はばか)らず、大声で泣いた
この時俺は、血の繋がりに関係なく二人の家族になる事を決めた