第56章 家族になろう(2)
~翔side~
輝「…ん…」
星「あ、輝起きたか?」
輝「兄ちゃん…ここどこ?」
星「ここ、翔兄ちゃんの家だよ」
輝「翔兄ちゃん?」
<カチャ>
翔「星児。朝飯が出来たから…ああ、輝起きたのか」
明け方まで看病をして、その後シャワーを浴びに出ていた間に、輝が目を覚ましていた
輝「え?…誰?」
星「昨日、俺達をここに連れてきてくれた翔兄ちゃんだよ」
翔「解らないよな。輝は昨日熱が出て、ほとんど意識朦朧としてたから」
すると輝は俺の手を握り
輝「…あ!夜ずっとついててくれた兄ちゃんだ」
翔「…え?」
星「?なんでわかるんだ輝」
輝「あのね、夜に起きたとき、僕の頭をずっと撫でてくれてたの。兄ちゃんだとずっと思ってたけど、このお兄ちゃんだったんだね」
翔「あ…」
あの時、起きてたのか…
さくらちゃんの時に同じ事をして、落ち着いたからと思ってやったんだけど…
輝「スッゴく暖かかった…ママってお兄ちゃんみたいな人なのかな…」
翔「え?」
ママみたいって…
翔「…輝、ご飯食べれるようならお粥を持ってくるよ」
輝「うん、食べたい」
翔「わかった。すぐ持ってくるよ…星児、ちょっと良いか?」
星「…うん」
俺は星児を連れて部屋を出た
翔「星児、お前らの母親は?」
星「…輝が2歳の時に家を出た…それっきり帰ってこない…」
翔「じゃあ…お前のその痣は父親から…」
星児はなにも言わずに頷いた