第54章 真実
~和也side~
動物園から戻り、夕飯を済ませ翔兄さんの部屋に来ていた
<コンコン>
翔「どうぞ」
和「失礼します」
翔「…他の皆はどうしてる?」
和「潤くんは明日の仕込みに行ってます。後、智兄さんも明日受けてる依頼の準備で事務所に行きました。雅紀兄さんは、今お風呂に行ってます」
翔「そっか、なら良かった…特に潤には聞かせたくないから…」
そう言って翔兄さんは、俺の前に一冊の本を出した
和「…絵本…ですか?」
翔「ああ…この本の事は俺以外では松本の両親しか知らない…最後のページ見て」
翔兄さんに言われ、最後のページをみるとそこには…
和「さくらい…しょう…」
大人の字で、平仮名だけどハッキリと書かれていた
翔「俺の本名」
和「え?」
翔兄さんの本名…?
翔「…俺…捨て子なんだ…」
和「え!?」
まさか…翔兄さんが…?
俺は翔兄さんの言ったことが俄(にわか)に信じられなかった
翔「意外そうな顔してるな…でも、薄々気付いてたんだろ?俺と潤が本当の兄弟じゃないって」
和「…なんとなく…ですけど」
翔「いつ気付いたんだ?」
和「初めて翔兄さんと潤くんのアルバムを見た時に…潤くんの赤ん坊の時の写真はあるのに、翔兄さんのものはなかったので…その時違和感を感じたんですが、気になり出したのは、三枝邸で名乗った櫻井の名前を聞いた時です…」
翔「あー…あの時か…やっぱ失敗だったな…」
翔兄さんはそう言って右手で顔を半分被った