第52章 この命に代えても…(6)
智「よし…んじゃ俺、久しぶりにさくらの所に行ってくる」
翔「さくらちゃん?何かあったの?」
智「潤に聞いたけど、今度ピクニックに行こうって話になってるんだろ?さくら達も誘おうと思ってさ」
雅「あ、うんお願い」
潤「じゃあ俺も帰るね。明日から店を開けるつもりだから、買い出ししておかないと」
和「潤くん、私も手伝います」
…?何なんだ?皆して…
和「ああ、雅紀兄さんはここにいて下さいね。どのみちその怪我では、荷物もちにもなりませんから」
雅「え?そんな事ないけど?」
潤「まぁまぁ良いから。じゃあ翔兄さん、また明日来るね」
そう言って、雅紀を残して皆帰っていった
雅「…翔ちゃん…今回の事は本当にごめんね。俺が軽率だった…」
翔「雅紀…約束して?」
雅「約束?」
翔「今度こそ俺と離れないって…ずっと側にいて…」
もう嫌だ…あんな思いするの…雅紀が側にいないだけで、不安で押し潰されそうだった…
雅「翔ちゃん…うん…離れない、ずっと側にいるよ」
そう言って雅紀は俺の事を抱き締めてくれた
その後、智くんから取り引きをしていた男達が逮捕されたと聞いた
男達はどちらも暴力団の組員だったらしい
何故逮捕出来たのかと言うと…
翔「え!?犬の大地のおかげ?」
智「うん、何でもあの取り引き現場で、大地が何か誤飲したらしいんだ」
雅「俺、飼い主さんから大地は何でも口に入れるから、注意してって言われてたんだけどね」
翔「何を飲み込んだの?」
智「組員バッチ」
え!?そんな物を?
智「で、元気がない大地を心配した飼い主が、病院に連れていってレントゲンを撮ったら影が写ってたから、取り出したらバッチが出てきたんで警察に届けたんだって」
…大地ってある意味凄い犬だな…(雅紀より賢いんじゃないか?)