第49章 この命に代えても…(3)
~雅紀side~
翔「雅紀ーーー!!」
雅「!?」
突然翔ちゃんが俺の名前を叫び、振り向くと
<ダーーーン>
銃声が鳴り響き、翔ちゃんの背中から血が飛び散るのが見えた…
雅「…え…?」
翔ちゃんはそのまま俺に向かって倒れかかり、身体は力なく崩れ落ちた
雅「…翔…ちゃん…?」
岡「翔ーーーっ!!」
潤「翔兄さん!雅紀兄さん!!」
その時、遠くから潤達が叫びながら走って来ていたけど、俺は全く気づいていなかった
岡「向かいのビルだ!!急げ!!」
岡田くんの指示で警官隊がビルの中に入って行き、回りは銃声が鳴った事で大騒動になっていた
けど、そんな声も俺には届いていなかった…
雅「…翔…ちゃん…翔ちゃん、翔ちゃん!!」
岡「救急車急げ!!」
和「翔兄さん!!」
雅「翔ちゃん!眼を開けて!!翔ちゃーん!!」
翔ちゃんの身体を抱き抱えたまま、名前を呼び続けていた時…
翔「…っ…ま…さき…」
雅「翔ちゃん!?」
翔ちゃんがうっすらと眼を開けた
潤「翔兄さん!しっかりして!!」
すると翔ちゃんは、腕をゆっくり挙げて俺の顔をそっと触ってきた
雅「…しょ…」
翔「…よ…かった…雅紀…無事…で…」
そう言って翔ちゃんは力なく微笑んだ
雅「翔ちゃん…何で?翔ちゃん、俺の事怒ったじゃない…危ない事するな!って…その翔ちゃんが何でこんな危険な事…」
俺は泣きながら翔ちゃんに言った
翔「…ごめ…ん…ただ…お前…の事…を…守り…た…か…」
雅「翔ちゃん…?」
その時、翔ちゃんの腕がパタリと落ち、俺の胸に寄りかかったまま意識を失った
雅「翔ちゃん!翔ちゃーーーん!!」
俺の翔ちゃんを呼ぶ声だけが何時までも響いていた