第48章 この命に代えても…(2)
俺達は出来るだけ人通りがある道を通り、散歩をしていた
大地は俺がピリピリさせながら歩いているのを感じているのか、落ち着かない様子でキョロキョロしていた
雅「そういえばさ、初めてだよね。翔ちゃんとこうして散歩するの」
翔「え?」
…言われてみれば…
翔「…そうだな…」
雅「こんな時に不謹慎だけどさ、俺嬉しいんだ。翔ちゃんと一緒にこうやって歩くのが」
翔「…雅紀…」
雅「ねぇ翔ちゃん、この件が無事に終わったら皆でピクニックに行かない?潤にお弁当作ってもらってさ」
翔「…うん…いいな…」
ピクニックなんて、もう何年も行ってないな…
雅「楽しみだなー!あ、そうだ!さくらちゃんも誘おっか!?智兄が喜びそう」
そう言いながら、まるで子供のようにはしゃぐ雅紀がとても微笑ましかった
翔「雅紀、あんまりはしゃぐと…」
その時、赤いライトの様なものが雅紀に当たっているのが見えた
ー何だ?あのレーザーポインターみたいなのは…まるで雅紀を標的にしてるみたい…!?ー
その光の元を見ると、向かいのビルから黒い影が見えた
ーまさか…!!ー
そして、その光の動きが止まった
翔「雅紀ーーー!!」
雅「!?」
俺は思わずその光と雅紀の間に飛び込んだ
その時…
<ダーーーン>
銃声と同時に背中に衝撃を受けた…