第48章 この命に代えても…(2)
~雅紀side~
取り引き現場を目撃して数週間、智兄が岡田くんに連絡した事で、自宅付近を毎日警官が巡回してくれていた
翔ちゃんも気にしてか「外に出るな!」とか「窓際に立つな!」と言って、家中の窓のカーテンを閉めて警戒してる
お陰で今の所俺は無事でいるけど…
雅「…うーーーん…」
潤「どうしたの?雅紀兄さん…」
雅「ちょっとストレス…外にも出れないし、仕事もさせてもらえない…」
智「しょうがないだろ。今回の事はお前の責任なんだから、もう暫く我慢しろ」
解ってるけど、こう缶詰め状態が続くとなー…
潤「そういえば智兄さん、岡田さんから何か連絡はあった?」
智「いや…まだない」
そうだろうな…俺車の車種もナンバーも覚えてないし、遠目だったから男達の顔も解んないもんな…
智「雅紀、暇なら書類整理でもするか?」
雅「…無理…俺解んないもん」
智「だろうな」
…解ってるなら最初から聞かないでよ!
翔「ただいまー…雅紀、どうしたんだ?」
そんな話をしている所に、翔ちゃんが便利屋の事務所から戻ってきた
雅「翔ちゃーん、俺暇だよー」
翔「ああ…不貞腐れてるだけか…まぁ…久しぶりの休みと思ってのんびりしてろよ」
…のんびりし過ぎで暇なんだけど…
潤「じゃあ俺、和の迎えに行ってくるね」
智「ああ、いってらっしゃい」
潤は毎日、和の送り迎えをしていた
今の状況では、俺以外の家族にも危害が及ぶ可能性があるからだった
そして潤が出掛けて暫くして、翔ちゃんが持っていた仕事用の電話が鳴った